進む「いいとこ取り」

「今日から新しい美容室に移りました」

ずっと担当してくれていた美容師さんから、デジサーチの田中さんに連絡があった。そこで早速、美容院に行ってみると、びっくり!その美容師さんだけで運営する「一人用店舗」になっていました。

お店に来るのは、これまでのお店で担当していた指名のお客さんだけ。経理だったり、薬剤を仕入れたり、シャンプー台のメンテナンスだったり……美容室運営の「面倒くさいこと」は、外部の会社が全て仕組みとして提供してくれそうです。

実力のある美容師さんが独立しても、面倒くさいことにわずらわされず、お客さんのことだけを考えて、伸び伸びと働けます。

「ややこしいことは、全部お任せ。この働き方、これから増えてくる気がしませんか?」

楽しそうに話す田中さんは、なんだかひらめいたようでした。

たとえば、セレクトショップ。

「どこから仕入れますか?」とオファーが来て、仕入れる、仕入れないを決められる。売れたら、自動で配送をしてくれる。バイトを雇いたいとなったら、派遣をしてくれる。もちろん、お金の管理も全部やってくれる……セレクトショップのオーナーは、花形の買い付け業務で自分のセンスを存分に発揮するだけでいいんです。

これだったらセレクトショップやってみたい、と思う人が、とても増えそうじゃないですか?

「変な話、”セレクトパン屋さん”ができても、おかしくないんですよ。自前でパンを作らない、冷凍のパン屋さん。冷凍のパン生地をどんどん提案してもらった中から、自分のセンスで選んで、どう売るかのクリエイティブの部分だけを考える仕事になるはずです!」

独立開業で、自分の得意な仕事だけ、やりたい花形の仕事だけをする働き方。DX化で経理やバックオフィスが効率化・外注できることで「仕事のいいとこ取り」が進んでいく、かもしれませんね。

UUUMを離脱したYouTuberたちは、今まで会社がやってくれていた、請求書を出したり、契約を結んだりする「ややこしいこと」をやってくれる人を探している、とききます。

美容師、デザイナー、YouTuber──クリエイティブなセンスを活かして仕事をする人たちは、利益を会社が得て、そこから給料を払ってもらう「所属契約」から、ややこしいことは全部お任せ、クリエイティブに集中して伸ばした利益を分け合う「エージェント契約」へ。

エージェントといっても、自分の権利や利益だけを確保して、汗をかかない名ばかりのエージェントではありません。バックオフィスの面倒くさい業務に、 DXを駆使してどんどん取り組んでくれる泥臭いエージェントが、どんな事業領域にも広がっていくのではでしょうか?

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考えてみれば、デジサーチがずっとやってきたのも、そういうことだったのかもしれません。販売ページのクリエイティブ製作、EC運営、広告運営、資金繰りのアドバイス……商品のクリエイティブに集中してもらえる環境を整えて、新ブランドをわずか2、3ヶ月で立ち上げて「ブランドオーナー」になる体験をサポートしてきました。

まだ世に出ていないないけど、キラリと輝く商品を作れる人達を、クリエイティブと経営の両面から、コツコツとサポートしてきたのがデジサーチです。

「クリエイティブ」「経営」というと、なんだか偉そうに思えるかもしれませんが……老舗の当主や、独立開業したばかりのデザイナーさんたちと膝を突き合わせて、時には大胆な決断を一緒にしながらも、毎日細かい改善に取り組んでいます。泥臭いことを、汗をかきながら、毎日コツコツと──R.Y

※このメディアは企業再生案件など、センシティブな話題があるため、登場人物は全て仮名で表記しております。